はじめての買い物(後編)

前編に続き、ようやく本題を。

昨日の朝、やけに階下がザワザワしているので降りてみると、何と、冷蔵庫が壊れていました。

この季節ですから放置してはおけません。
すぐに修理の依頼をしました。
でも、内心、「ダメだろうな~」と思っていました。

案の定、修理不可能。
「基盤がない」「コンプレッサーの部品がない」……
予想はしていましたが、しかし、電気製品メーカーの「売りっぱなし」「壊れたら買え」の姿勢には、あらためて腹が立ちます。

しかし、ショックです。
先日の風呂の故障に続き、またも不意の出費……。
余裕資金が少ない時に限って……。


もはや仕方ありません。
夕方、冷蔵庫を買いに出掛けました。

量販店で冷蔵庫をあれこれと見ながら、思いました。
「こうやって冷蔵庫を選ぶのははじめてだな。はじめての買い物だな」

もちろん買ったことはありますよ。
でも、お金を出しただけ。
壊れた冷蔵庫も、店の冷蔵庫も、自分で選んだわけではありません。
選ぶのははじめてです。


たくさんの冷蔵庫が並んでいます。
「そうか~。今時はこうなのか~」と思いながら、あれこれと見て回りました。
そして、はじめての買い物で、とっても奇異に感じたことが2つありました。


1つ目。
なぜ、どの冷蔵庫もこんなにデカいのか!

私は小さめの冷蔵庫を探していたのですが、小さいものは陳列品の数が極端に少ない。
「これは、テレビ番組に登場するような“大家族用”なのではないか?」と思えるような大きさのものが、ずら~っと並んでいます。

明らかに新婚さんらしき若いカップルが店員さんの説明を聞いていまして、そんなデカい冷蔵庫を購入しておりました。
でも、夫婦2人でしょ?
今後、子供が生まれたって、せいぜい2~3人でしょ?
一体、どんだけストックしておくつもり?
……そう思えますが、しかし、これが今の一般的なサイズなのでしょう。


2つ目。
冷蔵庫本体以上に、冷凍庫がやたらとデカい!
どの冷蔵庫も、「半分が冷凍庫か!」と思えるほど、冷凍庫の占める割合が大きいのです。

これには困りました。
ウチの場合、どう考えても、こんなに大きな冷凍庫は不要です。
しかも、小さい冷蔵庫でも冷凍庫は大きいので、さらに「冷凍庫率」が高くなる!
結局、「冷凍庫がデカくないもの」の条件で探したら、たくさんの陳列品の中で、たった1つしかありませんでした。
選択の余地なし!
まあ、迷わずに済んだのは良かったですが、しかし、選択できないというのも、少々悲しいものがあります。

要するに、冷凍食品をたくさん買い込む……という生活が主流ということなのでしょう。


「よくないな~」と感じましたね。

スペースの無駄、食材の無駄、家計の無駄、そして冷凍食品による食生活の乱れ、体への影響、子供の味覚の喪失、さらには伝えるべき文化の継承の希薄化……。
デカくて冷凍庫の大きな冷蔵庫ばかりが並んでいる光景は、そうした現象のまさに具現化でした。

確かに、夫婦共働きの家が多く、ある程度のストックは必要なのでしょう。
しかし、ほとんどの家庭が核家族であることを考えると、例えば、「女手一つで子供を育てているから、休みの日に一週間分の料理をある程度して、それを冷凍保存する必要がある」といった事情がある場合を除いて、これほどの大きさ、これほどの冷凍スペースは必要ありません。
むしろ「あるがゆえの不都合」をたくさん招いていると思われるのです。

陳列の冷蔵庫には、それぞれ宣伝文句のようなものが貼ってありましたが、恐ろしいコピーがありました。

「なんと、冷凍食品を60日分ストック可能!」

冷凍食品を60日分もストックしておく方が、「なんと!」ですよ。


朝、家で、壊れた冷蔵庫の中身を全部出しました。
元寿司屋の父にとっては、食材はその日の内に消費するものであり、消費できない場合は煮たり焼いたりして日持ちをさせるもの……の感覚があるので、平均的な家庭よりも無駄なストックは少ないはずです。
しかし、そんな我が家でも、冷蔵庫に入ったままの無駄な食べ物が、たくさんたくさん出て来ました。


金曜日に、現状よりも二周りほど小さい、新しい冷蔵庫が届きます。
冷凍庫が最上部の、扉が2つの、昔ながらのデザインの冷蔵庫です。
製氷機もありません。冷凍食品のストックスペースもありません。
お値段、39,800円。送料と廃棄料を入れても5万円を切る出費で済みました。

金曜までに、食えるものは食い、捨てるものは捨て、新しい小さな冷蔵庫と上手に付き合って行こうと思います。

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