福島県は郡山、仁井田本家の「金宝自然酒」です。
ウチでは、父の代から(父は東京の飯田橋で寿司屋をやっていました)、
日本酒はこのお酒、一種類でやってます。
冷でも、燗でも、とっても美味しいです。
私、お酒は何でも好きですが、やはり一番好きなのは「日本酒の燗」です。
もちろんこのお酒で。
皆さん、「美味しいです!」と言って下さいますが、私にとっては、
子供の頃から飲み慣れた味なんですね。
子供の頃から?
はい。私、子供の頃から日本酒を飲んでました。
「こんなに美味しい物はない」と、小学校3年生ぐらいの時には思っていました。
初めて飲みすぎて吐いたのは、9歳の12月24日でした。
「早く20歳になりたい」と願っていました。なぜなら、20歳になれば、
いくら飲んでもお母さんに怒られないから。
高校生になってからは、学年末試験が終わった日は、「お祝い」と称して、昼間から一升酒を飲んでいました。
この「金宝自然酒」、とってもこだわりを持って、丁寧に作られています。
是非、仁井田本家さんのホームページをご覧いただきたいと思います。
このお酒の姉妹品の「鳳金宝自然酒(おおとりきんぽうしぜんしゅ)もご用意しています。
こちらは上のお酒よりも甘い味です。
冷で、食前酒としてお楽しみ下さい。
この「鳳」の方は、明らかに甘いお酒ですが、もちろんその甘みは日本酒本来の甘味です。
金宝自然酒を飲んで、「甘いな~」などと言う方が、ごく稀にいらっしゃいますが、
私が子供の頃は、このお酒、どちらかと言えば辛口と言ってもよいお酒でした。
つまり、そんなことを口にするのは、「にわか通」でしかありません。
しかしながら、「辛口=美味い酒」のような間違った認識が広まって、
それを鵜呑みにする人が増えたせいか、ただ単に「辛口」に味付けした
お酒が結構氾濫している……というのが現状だと、誰でも知ってる
お酒の第一人者の田崎大先生もおっしゃっておりました。
そもそも、わざわざ「純米酒」と名乗らなければならないことで、
それはお分かりいただけると思います。
日本酒は米から造るのは誰でもわかっていることですから、
あえて「純米酒」という区分をする必要はありません。しかし、
「純米酒」に対する「普通酒」というものが存在します。
普通酒には、醸造用アルコールが製造途中で添加されているのでして
(これを「アル添」と言います)、そこにさらに化学調味料などを
入れれば、「辛口の美味しいお酒」なるものはどんどん作れるのです。
どぶろくを造ってみるとわかりますが、普通に造れば、お酒は、
最初は酸っぱくて、その後、米の甘味で甘くなるものなのです。
エラそうに書いてしまいましたが、私はお酒に詳しいわけではありません。
ただ、小学校3年生の頃から「こんなに美味い物はない」と思い続けて来た、
かなり年季の入った日本酒大好き男なので、少々謳わせていただいてもイイかな……
とは思っているのです。
このお酒一種類だけにしたのには、もう一つ、理由があります。
神楽坂に「伊勢藤」という、知ってる人はみんな知ってる有名な飲み屋さんがあります。
俳優の渡辺謙さんもお気に入りのお店で、冷暖房なしの薄暗いお店ながら、
わざわざ関西から足を運ぶ偉いお方もいるお店です。
このお店で出すお酒は、「白鷹」の菰かぶりだけ。
ビールも何もありません。
このお店とは、家族ぐるみのお付き合いで、しかも、今の店主は私の
中学高校の1つ上の先輩なのです。
この先輩が、一緒に酒を飲んだ時に、こう言っていました。
「あのさ、○○に、“百種類の日本酒、あります”なんて言ってる店、あるでしょ。あんなの、美味いはずがないじゃない。だってさ、百種類もあったら、1年以上前に開封した酒だってあると思うよ。酒は生モノだからさ、開けたら早く飲まないと美味くなくなっちゃうよ」
なるほど、その通りだな~とつくづく思いました。
それもあって、ウチは、日本酒は「金宝自然酒」1種類のみでやっているのです。
皆様、是非一度ご賞味下さい。