昨年の秋、大学生がたくさん店に来てくれたことがあります。
息子は小学生の頃、彼らの先輩たちに世話になっていました。
休みの日に子供たちと遊んでくれるサークルなのです。
国立大学で福祉だの何だのを専攻して、休みの日には他所のガキどもの
世話をしてくれるような学生さんたちだか ら、皆さんとっても真面目です。
酒と音楽とギターと麻雀と競艇と怠惰な文学に浸っていた私の学生時代とは、まるで正反対。
だから、私の話が楽しいのかもしれません。
他のアホな大人のように、「社会に出ると……」といったくだらね~話は、一切しませんから。
その日、一番たくさん話をしたのは、お寺の倅。
将来的には寺に入らなければならない……と、少々困ったことのように言っています。
「小さい頃からそのつもりなんだろ」と聞けば、
「ハイ」
「イヤなのか?」
「イヤじゃありません」
「じゃ、何で困ってるんだ?」
答えは、真面目な若者らしい、ほほえましいものでした。
ようやく見つけた、付き合いはじめたばかりの彼女が、田舎の寺に入ってくれる可能性は低い。
今後も、同様の可能性がいつもつきまとう。
きっと自分はお見合いで結婚することになると思う……云々。
私も丁度イイ具合に酔って来て、舌も滑らかになり、得意のネタをどんどん話してあげました。
それを詳細に書いたら何時間も掛かってしまうので書きませんが、青年はスッキリした顔で、
「いや~、話が聞けて、ホント、良かったです!」と言ってくれました。
男と話すのにも飽きたので、次は女の子たちとお話。
「男なんて、チョロイもんよ」という話から始まって、
「男の子が何を考えてるのかわからない……なんて言うだろ。
あのね、そもそもそれが間違いなの。だって、男なんて、何も考えてないんだから。
オレぐらいの年齢でも一緒。 あんたたちのお父さんだって一緒なんだよ」
そして、執筆中の「わずか7文字で男から誘わせる、魔法の言葉」の内容をちょっとだけ披露。
「すっご~い! 完璧じゃないですか~!」
の言葉に、歓喜の大爆笑をしたのでした。
それにしても、学生さんたち、真面目です。
真面目と言うか、老成というか、小ぢんまりと言うか……
以前に短大や女子大で年に4回ほど話をさせていただいていた時にも思いましたが、
「オレの方がはるかに若いじゃないか!」
という感じです。
若人よ、真面目なことは素晴らしいけど、過去の常識なんて、もうすぐ
正反対になっちゃうのだから、もっともっと若者らしく弾けちゃって下さい。
いつでも遊びに来なさい。
パワーと気合を注入してあげるから!