花を買いに行ったら、桃の花がありました。
壷に生けてみました。
もう少し細身の花瓶の方が合っていますし、
生け方もイマイチですが、それでもまさに、
「灯りをつけましょ雪洞に、お花をあげましょ桃の花」
になりました。
お店をすっかりきれいにして、冷蔵庫の中もきれいにして、
お香も焚いて、すっきりした気分でお客様をお待ちしていた時、
ハタと気付きました。
「今日は給料日の金曜日だ!」
こういう日は、店は暇なのです。
しかも昼間は暖かな晴天。
「夕方から雨模様」といった天気予報の時は繁盛するのです。
先日の雪の日など、満席でした。
だから、「まあ、今日はのんびりやるか」と思っていましたが、
案の定、暇です。
出張帰りの常連様1名、そして出張中の関西の方1名…要するに、
「遠路はるばる」のたまたまのお客様のみ。
その内、風がものすごく強くなってきて、店の暖簾が何度も外れます。
お客様もいなくなったので、「もう、暖簾、しまっちゃえ」と
暖簾を収納し、ついでに店の看板の灯りも消してしまいました。
外に出ると、昼間の暖かさがウソのような寒さです。
店内に戻り、BGMも消して、一人、ギターの練習などしておりました。
そうしたら……。
どんどんお客様が入って来るのです。
もう閉店したというのに……。
しかも、普段でも滅多に来店のない、一見の若い男性の一人客まで。
つくづく変なお店です。
BGMを止めちゃったので、私がずっとギターを弾いておりました。
この頃、結構ギターの練習をしているので、BGMとしても何とか
成立するぐらい弾けるようになっています。
それをやっていると、必ず言われます。
「マスター、歌ってくださいよ」
全然困りません。
困ったフリをして、喜んで「Stand By Me」を歌います。
「マスター、歌ってくださいよ」
と言われると、必ず、清水健太郎「失恋レストラン」の歌詞を思い出します。
今度、練習して、歌ってやろうと思います。
「~みんな、帰った、その~後で 強がり言ってたこの俺は~
ひ~とり~、失恋レストラン、まだ恋したこともない そうさ…」
なんて、私にはハマり過ぎかもしれませんが。
まあ、とにかく、楽しくお店をやっていられて、とってもしあわせです。