金沢の友人が、イノシシの肉を届けてくれました。
彼が自分で獲ったイノシシです。
すぐに「僕は猟師になった」という本を思い出し、パラパラとめくってみました。
ちなみに、この本、とってもイイ本です。
前にも書いたんですけど、こんな書き出しから始まるんですね。
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「豆狸(まめだ)はなあ、わしが小さい頃は裏のお寺の床下にぎょうさんおってなあ。目ぇギラギラさせて何十匹もおったわ。・・・」(中略)
これは、子供の頃からよく大叔母さんに聞かされていた話。豆狸は全国各地に言い伝えが残っている妖怪です。僕の実家は裏にある無人のお寺の管理をしており、そのお寺にたくさん住んでいたと大叔母は言うのです。
数年前、もう九十歳を超える大叔母とまた豆狸の話をしていると、横で話を聞いていた母が、「最近はあんまり見んようになったわねー。おばあちゃんの頃はようけおったんやねえ。まあ昔は恐竜でもおったんやから、なんでもおったんやろね」と言っていました。この母の発言にもたいがい驚きましたが、僕の故郷ではこんなふうに当たり前のことのように妖怪の存在が語られていました。
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豆狸・・・トトロに出て来る「真っ黒クロスケ」ですね。
著者は私よりも丁度一回り歳下ですし、この本が出版されたのは今から7年前ですから、お母さんはまだまだ頭もしっかりしていたことでしょうし、発言からも聡明さが伺えます。
作者は京都大学出身ですから、お母さんだってきっと聡明な方ですよ、きっと。
そんな人が「最近はあんまり見んようになったわねー」と言うのですから、間違いなく豆狸はいたのでしょうし、今でも山奥の方でひっそりと生息してるに違いありません(と私は信じています)。
「サンタクロースなんてものは居ない。ウチはクリスマスなんてものは関係ない。だからお祝いもしないし、プレゼントもない。父ちゃんがワイン飲んでるのは毎日の事だしな」
息子がごく小さい時に、きっぱりとこう言った私ですが、サンタだのクリスマスだのといった「まやかしの作り物」めいたファンタジーよりも、「豆狸は、夜でも明るい場所が増えたから隠れちゃったけど、どこかでひっそりと暮らしている」と想像する方が、はるかに「清く正しいファンタジー」のように思えます。
で、「豆狸は今でもひっそりと暮らしている」と思うのは、私には、とっても役に立つんですよ。
「そう。知らないことって、ものすごくたくさんあるんだよな~。正しくは、“ほとんど何も知らないのに、何でも知ってるような気になっちゃってる”んだよな~」
と思うことができるから。
私なんか、セミナーなんかで偉そうに喋ってるから、余計に気をつけなきゃいけないな~って思います。
もちろん正しくて役に立つことを喋っているという自負はありますが、でも、少しでももっと役に立つ話ができるように勉強しなきゃイカンですからね。
だから、私が嫌いなのは「知ってるバカ」。
昔、何を言っても「知ってる」って返して来る人がいてね・・・ホント、バカ丸出しでした。
わかりやすく言うと、バカって、
1、勉強しない(=本を読まない)人
2、わずかな経験や他人のそれらしい言葉を鵜呑みにして、それを他人に教えようとする人
だと思ってます。
これは、知能指数や偏差値とは関係ないですよ。
偏差値高くても、大学入試を終えた瞬間に勉強をやめたら、どんどんバカになるに決まってますからね。その後の人生の方がはるかに長いのだから。
結局、意識の問題なんですよね。
「知らないことばっかり。知っていることなんてごくわずか」
「知っていると思っていても、それは幻想でしかないかもしれない」
「単なる思い込みって、たくさんあるよな」
こういう意識を、時々でもいいから「発動」させることができるかどうかが必要なんじゃないでしょうかね。
だから、大人になってから「豆狸はひっそりと生きている」って思うのは、気持ちもホンワカして来るし、とってもイイことなんですよ。
大宮駅西口徒歩2分 癒しの飲み屋「三洞」
女性の一人客の多いお店です。
女性はフリー、男性会員制。
大宮駅からの道順はこちらです。
【営業時間】
18:00~24:00(23:30 ラストオーダー) ほぼ年中無休
【TEL】
048-871-5178(営業時間中)
*営業時間外は店主の携帯までご遠慮なくどうぞ。
090-3047-7372
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